1996年 東京生まれ
2019年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科 卒業
2021年 富山ガラス造形研究所造形科 卒業
2022年 神通硝子製作所 勤務
現在、金沢卯辰山工芸工房に在籍
ガラス
熱エネルギーによって膨張するガラスに、身体の柔軟さや身体表現に伴う自身の内部にあたるエネルギーといった肉体的な印象を与え、そこに力強い生命力を感じる。
その一方で、いとも簡単に削ることが出来るその構造の弱さや脆さに、事故で追った傷を思わせ、その内部の醜形さや、欠損・喪失による虚無感といった精神的な印象を与えられることがある。
強さと弱さ、柔らかさと硬さといった相対する表情を併せ持つことをガラス素材は可能にする。また、そうした対比は、どちらか一方の物事を強調させる役割があると考える。
肉体的な側面と精神的な側面を持つ発泡ガラスと、自身の経験を踏まえて、相反するものを抱えながら生きていくということに対しての危うさや緊張感を表現し、その在り方を探求する。
パフォーマンス
パフォーマンスにも様々な意味がある。する・行う 、果たす・遂行する 、(儀式などを)執り行う 、上演する、演じる、演奏する、等
上演内容を反復できる芸術形式としてパフォーミングアーツがうまれ、そこからさらに現代美術、前衛芸術の文脈の中でパフォーマンスアートが行われてきた。
しかし、パフォーミングアーツは、上演そのものを完全には再現、または保存できない。ほとんどの人が上演を実際に見ることができない。それらがジレンマに感じるときがある。
だからこそ、その時代、その場所にふさわしい「再生」の方法を探ることが出来ないだろうかとも考える。
自身の話に変わるが、大学で事故を起こして病院に運ばれたとき、ガーゼに流れた血の混じった水や傷口から切り取られた脂肪が今も目に焼き付いていている。
頭を打ったからか、それらの体験に何故か快感に近い感覚をおぼえた。
私自身が拾ったこの感覚は何だったのだろうか。作品とパフォーマンスを通して、当時の感覚についての「再生」の方法を探る。
インスタレーション「再生と消滅」 ガラス、針金、ウレタンフォーム、アクリル塗料 2024
インスタレーション「再生と消滅」 ガラス、針金、ウレタンフォーム、アクリル塗料 2024
オブジェ「祈り」 ガラス、スチロール、アクリル塗料 2024
インクジェット「命脈 -State of Being-」 2019