「FACE/PLACE」は、人(FACE)と場所(PLACE)の関係から、これからの居場所のあり方を見つめるシリーズです。美術館やホールとは少し違う、日常のすぐそばにある文化芸術の現場を訪ねています。
第2回目に訪れたのは、金沢市芳斉にある、10代のためのデジタルクリエイティブラボ「ミミミラボ」。
ここでは、10代の「やってみたい」が、機材や人との出会いを通して、少しずつ形になっていきます。今回は、ミミミラボに関わる人たちに、この場所で生まれている日常について話を聞きました。

10代が集えるデジタルと居場所の拠点
ーー ミミミラボは、どんな場所ですか?
溝渕健作:
私はミミミラボの館長を務めている溝渕です。ここでは「ぶっち」と呼ばれています。
ミミミラボは、10代の子どもたちが無料でデジタル機材や居場所を利用できる施設です。対象は10代ですが、年齢としては小学4年生から高校3年生まで利用できます。
場所は金沢市芳斉の閑静な住宅地にあり、外から見ると普通のビルですが、中に入ると思っている以上に広く、パソコンや3Dプリンター、音楽機材、ペンタブレットなど、さまざまなデジタル機材がそろっています。
DTMや「歌ってみた」に挑戦する子もいれば、イラスト制作に集中する子もいて、それぞれが自分の興味のあることに自由に取り組んでいます。
ミミミラボは制作の場であると同時に、居場所でもあります。
クッションのあるスペースで友だちとゲームをして過ごすことも、一人で静かに過ごすこともできます。3階にはテントやハンモックもあり、気持ちをリセットしながら過ごせる、「充電できる場所」になっていると思います。
利用する際は最初に登録が必要ですが、子どもたちだけで来て登録すれば、その日から使えます。顔認証による入館や、ICカードを使った来館記録の仕組みもあり、AIがメッセージを送ってくれることもあります。
ここは、「来たら何かをしなければいけない」場所ではありません。
大学生のメンターが常にいますが、必要なときに声をかければサポートする、ちょうどいい距離感で関わっています。大人がそれぞれの時間を過ごす姿を、自然に見られる場所でもあると思います。





居場所と刺激、そのバランスと距離感
ーー ミミミラボでは、どんな活動・取り組みを行なっていますか?
吉川永祐:
ミミミラボのコーディネーターを務めている吉川永祐です。
普段は現代美術のアーティストとしても活動しながら、ミミミラボでは子どもたちや大学生スタッフの動き方、過ごし方を一緒に考えたり、企画をつくったりしています。
ミミミラボは、デジタルに触れながら、子どもたちが自由にくつろげる居場所です。その一方で、時々イベントやワークショップも行っています。
例えば、金沢を拠点に活動するラッパーを招いた音楽制作やMV制作、卓球をモチーフにしたゲーム開発、プロ卓球チームの試合会場への出展など、外の世界とつながる機会もつくってきました。
こうした取り組みは、ミミミラボで過ごすだけでは得られない刺激を届けたり、新しい一歩を踏み出すきっかけをつくりたいという思いからです。
今後も、「安心していられる居場所」と「新しい刺激に出会える場」のバランスを大切にしながら、子どもたちと一緒にミミミラボのあり方を考えていきたいと思っています。



自分のペースで「やりたい」を追いかけられる場所
ーー ミミミラボに関心を持たれた方、まだ来られていない方にメッセージをお願いします
溝渕健作:
ミミミラボは、自分の好きなことを、好きなだけできる場所です。
何かをつくらなくてもいいし、何もせず、ただ過ごすだけでもいい。学校や日常で疲れた気持ちを、少しずつ充電できる場所でもあります。
館長やメンター、コーディネーターがそばにいるので、迷ったときには相談しながら、自分の「やりたい」を見つけ、育てていくことができます。
ぜひ気軽に足を運んでみてください。ミミミラボで、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
YouTube動画でもご視聴いただけます
〒920-0862 石川県金沢市芳斉1丁目3-3